今日は育児・家事に追われているママに~
自分の身体もケアしましょう~!!
その1 産後の身体の変化
とは言っても~自分の身体をケアする時間なんてない!
と思っているママさんへ
まずは、産後の身体の変化について見てみましょう!
妊娠、出産によって変化した子宮や骨盤は産後1カ月で急速に元の状態に戻ろうとします。そのため、産後1カ月までの間は後陣痛などさまざまな症状が現れます。今回は産後1カ月で起こる身体の変化と、それに伴って現れる症状についてご紹介します。
子宮の変化
出産直後から後陣痛が始まります。痛みの期間や加減は個人差がありますが、一般的に生理痛のような下腹部痛が2~3日続きます。
もともと卵位のサイズの子宮は、赤ちゃんの成長とともに大きくなり、臨月では胃の高さまで膨らみます。出産後2日間は子宮の大きさに変化はありませんが、6週目から妊娠前の子宮の大きさに戻ります。子宮が小さくなるのと同時に子宮の位置も下がるのですが、出産直後にはおへその下3~5㎝の位置に、時間がたつにつれ少しずつ下がっていき、産後2週が過ぎると骨盤の中に入ります。消失した子宮頚部も1~2週程度過ぎると回復します。
血液が混ざったおりものが分泌される
出産後には子宮内部と膣から血液が混ざった悪露が排出され続けます。これは分娩により生じた産道の傷や分泌物、子宮や膣から出る血液、粘膜、はがれた細胞等が膣を通じて体の外に出るもので、出産後4~6週間排出されます。産後3日までは鮮血、後に茶褐色、そして黄色に変化します。3週頃になると白くなり、量も減少します。悪露の色の変化は子宮収縮の経過を知ることができるバロメーターになります。悪露の色の変化が順調ではなく6週になっても血が混ざっていたり匂いがする、量が減らない等の異常がある場合には病院で診察してもらいましょう!
骨盤
骨盤は最大限に緩んで開ききった状態に。その後、自然に元の状態へと閉じていきますが、骨盤の骨を結合している靭帯が柔らかく緩んでいるのでグラグラの状態です。骨盤は赤ちゃんの成長に伴って開いていきます。産後は元の位置に戻ろうとしますが、緩みを生じることが多く、さらに身体を動かすことで歪んでいきます。そのため、出産直後から骨盤矯正ができる骨盤ベルトを着用するママが多いです。
筋肉
お腹周りの筋肉(腹直筋)は伸びきって薄くなりほとんど機能しない状態に。さらに骨盤内におさまっている筋肉も大きくなった子宮に押されて伸びてしまっています。
乳房の変化
出産と同時に、お母さんの乳房も授乳のための準備に入ります。産後1日目から3日ごろに黄みを帯びた初乳というものが出始めます。初乳は赤ちゃんのために必要な免疫抗体や栄養がたくさん詰まっていますので、必ず産院などでも飲ませるよう指導を受けます。
その後白色のお乳に変わってきますが、赤ちゃんにとって母乳は約6か月ほど病気から守ってくれる大切な栄養源です。
授乳は子宮が刺激されるために後陣痛を強めることもありますが、痛みはすぐに落ち着きますので、やめることなくできる限り母乳で育てていくよう心がけましょう。
その他の身体的変化
全身筋肉痛・腰痛排尿障害・むくみ・痔・脱肛・尿漏れ・会陰切開の傷の痛み・便秘・睡眠不足・恥骨痛・膀胱炎
尿漏れ
産後は大きくなった子宮による膀胱の圧迫や骨盤周りの筋肉の緩みなどが原因で尿漏れしやすくなります。産後の尿漏れは腹圧性失禁の場合が多く、お腹に力が入った際に生じやすい特徴があります。
痔
妊娠中、特に妊娠後期には下半身に大きな圧力がかかるため、痔になりやすいと言われています。そして出産時にも大きな力が加わり、血液が集まることにより痔が悪化します。
抜け毛
出産後は女性ホルモンの分泌量が変化し、これにより抜け毛が発生すると言われています。
妊娠中は女性ホルモンのプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)が増えることで髪の毛が抜けにくくなるとされています。実際、妊娠中は髪の毛や体毛が増えて毛深くなったという妊婦さんもいます。
でも赤ちゃんを産むと女性ホルモンが急激に減少し、妊娠中に抜けなかった髪が一気に抜けてしまうのです。
また女性ホルモン以外にも、慣れない子育てへのストレスや、赤ちゃんのお世話による睡眠不足、不規則な食事なども産後の抜け毛の原因になりえます。なかには、抜け毛によるストレスでさらに抜け毛が進む…という悪循環に陥ってしまう人もいるようです。出産後6カ月、遅くとも1年で戻ると言われていますので、あまり神経質にならずに、回復を待ちましょう!
肌荒れ
産後に肌荒れが起こりやすくなる原因は、ホルモンバランスの乱れ・育児や授乳による疲れやストレス・睡眠不足・便秘等が考えられます。
ホルモンバランスの崩れによる肌荒れ
産後のホルモンバランスの乱れは、通常、特に治療をしなくても徐々に正常な状態に戻ります。しばらくは様子をみて肌状態が戻るのを待ちましょう。肌が敏感になっていると感じるときは低刺激のスキンケア製品で対応します。肌状態が悪い時に、以前と同じスキンケアを続けていても改善は見込めません。まずは敏感肌用などの製品に替えて肌をいたわり、状態が落ちつくのを待ちましょう。
育児疲れやストレスによる肌荒れ
育児疲れやストレス、プレッシャー、寝不足に悩む人は、育児や家事について、一人で抱えこまないのが大切です。すべてを一人でこなそうとせず、赤ちゃんが眠っている時には自分も仮眠を取ったり、家族や周囲の人の手を借りるなど、上手にストレスを解消して、ゆったりとした気持ちでいられるようにしましょう。また、忙しくてなかなかスキンケアにまで手が回らない場合でも保湿ケアだけはしっかりと行いましょう。1アイテムでスキンケアが完了する「オールインワン」タイプのスキンケア化粧品に切り替えるのもひとつの方法です。
便秘による肌荒れ
便秘がちの人は、まず見直したいのが、水分の取り方です。産後は母乳分泌のため体内の水分量が不足気味になり、忙しさのあまり食事が疎かになりがちで便秘を引き起こすと言われています。産後は意識的に多めに水分を取るのがオススメ。喉が乾いたな、と感じた時には身体の水分はすでに不足しています。そうなる前に、こまめな水分補給を心掛けましょう。
また、野菜やフルーツなど、食物繊維を多く含む食事をしっかり摂るよう心掛けるのも大切です。難しければ、食物繊維を補える健康食品などを利用するのも良いかもしれません。